私が企業内医務室への転職を成功させた方法 ~産業看護師の求人を探している方へ~

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■当ブログ管理人(筆者)のプロフィール
看護学校卒業後、総合病院の混合病棟に就職。その職場で4年間働き、転職を決意。働きながら転職活動を進め、空白期間なしで今の職場へ移りました。

現在は、一般企業の企業内医務室で常勤の産業看護師の仕事に就いています。(私が勤務する会社では「企業内健康管理室」という名称で呼ばれています。)

あまり有名ではない企業ですが、誰もが使っている製品の部品を作っており、業界ではトップのシェアを獲得してる企業です。

自分の力だけで求人を見つけるのは、まず不可能

まず、GoogleのWEB検索で求人を探すところから始めました。

しかし、企業のホームページなどに掲載されている実際の求人は、ほとんど見つけることができず、自分が希望する地域に限定すると1つも求人が見つからないという結果になりました。

しかし、その情報収集の中で「産業看護師の求人の8割以上が看護師向け求人サイトの非公開求人になっている」という情報を得ました。

企業の求人が見つかる『看護師向け求人サイト』とは?

看護師向けの求人サイトというのは、看護師版のハローワークのようなもので、無料で利用することができます。扱う求人数の多さと看護師に特化した転職サポートが特徴です。

現在、私が把握しているだけでも国内に約30の看護師求人サイトがあります。

それぞれの求人サイトで登録者のみに限定公開している求人が「非公開求人」です。応募が定員を大きく上回ってしまうような人気職種や好条件の案件が非公開求人として扱われています。

産業看護師の求人紹介に強い求人サイトを選ぶのがポイント

私は思い切って5つの看護師求人サイトに登録して転職活動を始めました。

その結果、看護師求人サイトの中でも産業看護師の求人紹介に強いと感じたのが以下の3サイトです。

※オススメ順

  1. マイナビ看護師
  2. レバウェル看護
  3. 看護師ワーカー

産業看護師に限らず、看護師の転職支援全体においてもこれらの求人サイトが業界トップクラスの実績を残しており、こういった信頼のおける求人サイトには産業看護師の求人が集まる傾向があるようです。

そして、最終的には「マイナビ看護師」で紹介してもらった産業看護師の求人に応募し、採用をもらうことができました。

各求人サイト特色を知っておけば転職活動もスムーズに!

実際に求人サイトを利用してみると、求人サイトごとの特色に大きな違いを感じました。

以下にそれぞれの求人サイトの特徴などをまとめたので、これから転職活動を始める方は参考にしてみて下さい。

1. マイナビ看護師

「マイナビ看護師」は大手人材紹介会社マイナビグループが運営しています。さまざまな業種の企業からの知名度が高いため、企業の看護師求人が集まりやすいという特徴があるそうです。

私が実際に利用してみて求人の選択肢が1番多かったのも「マイナビ看護師」です。参考として見せてもらった求人には、都市部以外のエリアの求人も豊富でした。

担当アドバイザーの方は企業の内情に詳しく、「この企業は正直言ってブラック」「この企業は未経験者は採用しない」「この企業は福利厚生で〇〇を実施してるからおすすめ」という感じで色々教えてくれるので、応募先選びの参考にもなりました。

さらに、「面接のときにアピールポイントになるので、産業看護系の無料講習会に出ませんか?」「基礎知識を身につけるためにこの書籍をひと通り読んでおくといいですよ」という感じの変わったアドバイスをしてくれたのが印象的でした。

マイナビ看護師【公式サイト】

「マイナビ看護師」のワンポイントメモ
全国どのエリアの看護師さんにもおすすめ!アドバイザーがとにかく親身に相談にのってくれるので、転職に不安がある方でも安心して求人探しができると思います。

2. レバウェル看護

「レバウェル看護」はIT関連の転職支援などを行っているレバレジーズが運営する看護師向け転職サイトです。

レバレジーズはテレビCMなどで見かけていたので私も知っていました。IT企業などからの認知度が高いため、企業系の看護師求人が集まりやすいそうです。

「マイナビ看護師」ほどは企業看護師の求人に力を入れていないようですが、それでもしっかり求人はありました。

求人紹介のみ(応募まで進まず)のお付き合いでしたが、担当アドバイザーの方はとても丁寧に対応してくれて、またいつか転職するときに利用したい気持ちになりました。

レバウェル看護【公式サイト】

「レバウェル看護」のワンポイントメモ
看護師転職サイトの中でも一番多い(?)10万以上件の求人を扱っているそうです。企業看護師の求人以外にも視野を広げて転職活動をしたい人におすすめです。

3. 看護師ワーカー

「看護師ワーカー」は非常勤(アルバイトや短期・単発の派遣など)の案件が充実している求人サイトなので、企業看護師の「紹介予定派遣」の求人を目的に登録しました。

紹介予定派遣とは、定めれられた派遣期間終了後の常勤登用を前提とした派遣形態です。常勤登用は雇用側と労働者の双方の同意のもと決定しますが、基本的にこちらが拒否しない限り登用されることになります。

産業看護師の求人には紹介予定派遣のもの多く、常勤雇用に比べると採用のハードルも若干低くなるようです。

「常勤がダメなら紹介予定派遣でもいい」と思っていたので、保険として登録しておきました。やはり、紹介予定派遣の求人に限って言えば上記のマイナビ看護師よりも数が多かったです。

看護師ワーカー【公式サイト】

「看護師ワーカー」のワンポイントメモ
常勤で働きたい方は、選択肢を広げるために「マイナビ看護師」と同時登録がおすすめです。紹介予定派遣なら常勤登用も狙えますしね。派遣の求人に絞って探したいという方は「看護師ワーカー」だけでもOKかと思います。

企業看護師から企業看護師への転職に注意

今企業看護師として活躍をしている方は沢山いらっしゃると思います。しかし折角採用が決まった企業でも不満が出て来てしまい、実は他の企業へ転職を考えている…なんて方も居るのではないでしょうか。企業求人は雇用条件に結構差がある為、何気なく見た他の企業からの求人の方が条件が良かった!なんて事もありますよね。そうするとやはり「もっと良い企業へ転職をしたい」と思ってしまう事もあるかもしれません。

しかし無事に企業看護師として採用された方は忘れてしまいがちですが、企業看護師の仕事はかなりの競争率を誇ります。なのでもっと良い職場があったとしても採用される保証はどこにもありません。その点をよく考えて転職活動をしなくてはなりません。

また医療関係から医療関係への転職は短期間で行なう事も珍しく無いですが、企業の場合は短期間での転職は好まれません。つまり1~2年での転職は大きなデメリットとなる事が多いのです。そこの所も看護師はよく覚えておく必要があるでしょうね。

将来性のある企業を選ぶことが大切

看護師は転職率の高い職業ですが、「企業で働く看護師はなかなか辞めない」という話を聞いた事があるのではないでしょうか。企業は看護師にとって働きやすい環境が整っている事が多く、長く働き続ける方が多い為です。

なので企業へ転職を考えている方は先の事もしっかりと考えた職場選びをされると良いです。例えばまだ若い女性看護師なら結婚をし、子供を産んでも働き易い職場を選ぶ等です。産休がきちんと取れる企業なら安心ですし、託児所完備であれば育児費用の負担を減らす事が出来ます。また短時間正社員制度を導入している企業なら育児をしながらでも働き易いでしょう。その他にも介護休暇や退職金等、長く働く上でメリットとなる部分にも目を向けるべきですね。

せっかく良い企業へ転職が出来ても結婚や出産、家族の介護等、人生の大きな節目で退職せざるを得なくなれば勿体無いです。企業求人は最近特に人気が高いですから、また良い条件の職場が見つかるとも限りません。なので長く働ける企業を最初から選ぶと良いと思います。

労働災害に関する最新情報を得るには

企業の医務室で働いている看護師は中央労働災害防止協会(JISHA)が運営する安全衛生情報センターは定期的にチェックされるのが良いです。この安全衛生情報センターでは労働災害の情報や、化学物質に関する情報等が発信されています。労働者の健康に携わる医務室看護師には必ず役に立つ事と思います。

具体的には例えば受動喫煙対策についての支援事業を知る事が出来たり、企業での災害発生状況…死傷災害や死亡災害についての資料を閲覧する事が出来ます。勿論企業で働く看護師は研修やセミナーで教育を受ける事も可能です。健康づくりからメンタルヘルス、リスクアセスメントまで幅広い情報を得る事が出来るんですね。

ちなみに今月からは特に熱中症に対する情報が多く出て来ています。熱中症は死亡災害も発生する怖い症状ですから企業では十分な対策が必要になります。昨年の熱中症発生状況や志望状況の資料が閲覧できるので、是非チェックをしてこれからの本格的な暑さに備えると良いかと思います。

医務室で働く看護師と保健師の違い

看護師として企業の医務室で働き始めて結構経ちますが、最近は特に看護師も保健師としての役割を求められる事が多いと感じます。

例えば医務室や健康管理室のスタッフとして看護師又は保健師を募集する求人を見るとよく分かります。看護師と保健師を別々に募集する企業と違い、看護師の雇用条件として「保健指導やメンタルケアが出来る事」等と書かれています。雇うのは看護師・保健師のどちらでも良いが、どちらの仕事も出来なくては困る…といった企業がとても多いんですね。

私が働く企業でも保健師が居ないので同じ様な傾向があります。健康診断の結果を見て生活改善等の保健指導を行なうのは勿論の事、病気予防の為の講義を行なったり衛生管理・指導を行なう事もあります。もう慣れてしまいましたが保健師を雇っている企業なら看護師の業務内容では無い事は間違いないと思います。

私は治療の面でも予防の面でも健康に関わる事なら興味を持っているので問題ありません。しかし中には思いもかけない業務内容に戸惑う方も居るかもしれませんね。

緊急時の処置能力を試される場面が以外と多い

企業の医務室では保健師も一緒に働く所がありますが、看護師しか雇っていない所も多いです。また企業には産業医も働いていますが委託勤務の場合が多く、月に数回しか出勤して来ないケースが珍しくありません。ですから何かあった時にはに自分一人でも対処出来るよう、ある程度の初期治療が出来る様にしておくと良いです。

私の場合はBLSとACLSのコースを受けて、どちらも合格点を貰っています。コースは気道異物の除去方法、AEDの正しい使用方法、心停止・重症不整脈・急性冠症候群・脳卒中といった症状に対する初期治療を学べる良い機会でした。

病院へ運ばれる患者さんは会社で倒れられる方が実は意外と多いです。会社は一日の約半分を過ごす場であり、また労働により心身を酷使する場でもあるので当然と言えば当然でしょう。素早い処置が出来れば助かったのに、後遺症が軽くて済んだのに…といったケースは少なくありません。

労働者が安心して働く環境を作る為には医務室で働く看護師が緊急処置についてしっかり学んでおく必要があるんですね。

同僚が少ない事のメリットとデメリット

企業看護師のメリットにもデメリットにもなる点に「同僚が少ない」という事があります。一般的には一人体制から多くても三人体制という企業が殆どでしょう。

同僚が少ないと煩わしい人間関係に悩む心配がないので病院や施設で働くよりも楽だと感じる方はとても多いです。特に一人体制の企業では全て自分で考え自分のペースで仕事を進める事が出来ますから、チームワークが苦手な方には働き易い職場となるでしょう。

但し同僚が少ないという事は孤独な仕事になるという事でもあります。例えば業務に行き詰ったり悩みを抱えた時に相談出来る相手が居ないデメリットがあります。また企業看護師の仕事が全く始めての方は最初から一人体制で働くと少々不安に感じるかもしれません。

病院や施設勤務から企業看護師へ転職をすると、一人又は少人数体制を寂しいと感じる事もあるかもしれません。私のように慣れてしまえば仕事がスムーズなので有り難いですが、人によっては合わないと感じてしまうかもしれませんね。

入職後も学ぶことが多い産業看護の分野

企業看護師として実務経験を2年以上積んだ方は産業看護部会で産業看護師登録を行なうと思います。自分自身のスキルアップとなりますし、万が一にも転職を考える際には登録しておくと採用に有利になるでしょう。

しかし産業看護師登録が済んだからといって満足しているようでは不足でしょうね。企業の中での看護師の役割は時代によって変化していきますし、勿論日々進歩する医療に合わせて産業看護師も知識を高めなくてはなりません。

なのでより専門性を高める為に実力アップコースも是非受けておくと良いと思います。講義220時間、そして研究30時間となかなかのボリュームですが、企業で十分に活躍をする為には必要なコースとなるでしょう。勿論5年毎の更新を受ける為にも必須のコースになっていますね。

私は企業看護師としての経験が3年程度なのでまだまだですが、思っていたよりも奥が深い仕事であるのを感じています。自分が納得出来る仕事をしていく為には生涯学んで行く姿勢が必要かもしれませんね。

ハローワークやe-ナースセンターでは見つからない!?

いくら企業看護師に転職をしたいと思っても、まずは求人を探さなくては始まらない訳ですが・・・この求人を探すのが一苦労なんですよね。

企業への転職を希望している方の殆どは、取り合えずネットで求人を検索した事があるかと思います。又はハローワークや看護師協会のe-ナースセンターも一度は利用してみた事でしょう。私も最初はハローワークやe-ナースセンターを利用しましたが、e-ナースセンターでは全く見付ける事が出来ませんでした。ハローワークなら若干見付かりますが中規模企業のものばかりで条件が悪く、派遣やパートでの募集も多いと思います。

企業看護師としてしっかり働きたい、大企業で十分な待遇を受けたいと思うならやはり転職サイトの利用が最適です。企業看護師 .com| 求人探しの最短ルートにも書かれていますが大企業からの質の高い求人は一般には出回りません。誰が見ても魅力的な職場への転職を果たすには転職サイトが抱える非公開求人を狙うのが一番お薦めになるんですね。

※登録産業看護師についての詳細は・・・産業看護部会のホームページ

仕事に役立つ「産業カウンセラー」の資格

一般企業の看護師募集の中には保健師的な仕事も求められるものが増えて来ています。例えば看護師又は保健師で募集をしている企業では「看護師の場合は産業カウンセラーの資格が必要」といった条件が書かれている求人が見られます。最近はうつ病等の心の病気を抱える労働者が増えて来ているのでメンタルケアを重視したい企業が増えているのです。

メンタル面を重視したい企業は労働者の業務内容がデスクワークや営業中心の所が多いです。工場等の産業系よりも、より心の問題を抱えやすい職場となっている為です。その為、上記のように産業カウンセラーの資格が必須の所もありますし、必須ではなくても資格が採用に有利に働く事が多々あります。

純粋に看護師として企業へ転職をしたい方は出来るだけ産業系企業を選ぶのが良いでしょうね。但し産業系企業でも産業カウンセラーの資格は仕事をする上で必ず役に立って来ます。もし余裕があるなら取得してから転職をするか、取得予定である事を面接で伝えると良いと思います。